今回ご紹介する絵本は、2023年のクリスマス会で小学校高学年の子ども達にクリスマスプレゼントとして贈った一冊です 😊✨
1955年にアメリカで出版され、1979年に日本語版が日本で刊行されました。
むかし子どもだった大人達が、子ども達へ手渡し続け、約100年もの間、愛され続ける物語 💕
人間の尊厳の普遍性、誰もが平等に命を全うする権利があることは「どの時代にも変わらないのだなぁ‥。」と考えさせられます… ✨
小学校で孤独に過ごす主人公ですが、そこには 自 分 軸 の強さがあるようにも感じます。
耳を澄まし、目を凝らし、小さな喜びと楽しみを見つけている…。
そんな静かで真っすぐな主人公の才能に気が付き、寄り添う大人の存在。
主人公をからかい続けてきた周りの子ども達の心境の変化。
短いお話の中にある大きな意味。
画は力強い線で描かれ印象的、且つ、人物の繊細な感情が伝わります。
同じ大人として「いそべ先生のようでありたい」なんて厚かましいことは言えないけれど、あっぷっぷに来てくれる子ども達にとって、「少しでもそんな存在として近づくことができたらいいなぁ‥。」と思います…。
作者は鹿児島で生まれ、画家を目指し、10 代で上京しましたが、プロレタリア美術運動に参加し、数回検挙されています。
自由に芸術を表現するために日本を離れざるをえなくなり渡米。2 年後日米開戦。
アメリカが日本に対するプロパガンダを起こす中、愛する故郷を舞台に、自らの体験を重ね、声なき声に寄り添う物語を描き上げます。
小さき者への愛は、激動の時代を生き抜いた八島太郎の感性だからこそ描けたのかもしれませんね。
実は!アメリカで制作され、英語で描かれた日本の物語。
戦後まもなくその物語がアメリカで評価されたことに大きな意味と、国と時代を越えても人間の心は普遍であることを感じずにはいられません。
ちなみにプロレタリア文学作家:小林多喜二の死に顔を描いたのは八島太郎です。
少し小樽にゆかりを感じますね…。
是非、親子でじんわりと楽しんでみてほしい一冊です 📚
文責:田場 依子
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