こちらの絵本、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
日本を代表する一冊と言っても過言ではないと感じています。
子ども達は、間違いなく…大好き!!
お話の始まりは…
「あったとさ あったとさ
ひろい のっぱら どまんなか
きょだいな ピアノがあったとさ」
・・・と、規格外の巨大なピアノが登場 🎹!!
1ページ目から子ども達は釘付け‼ 声を上げて大喜び 🤣🤣
そして…
「こどもが 100にんやってきて
ピアノのうえでおにごっこ」
・・・と続くと、再びケラケラと笑いが…🤣
現実ではありえないことだけれど、子ども達は一瞬で絵本の世界に飛び込み疑似体験。
楽しくてしょうがないと言ったところでしょう 😁
次々と「きょだいな」物が登場し、100人の子どもももれなく登場!!
リズミカルな言葉は、繰り返し読んでいるうちに暗唱してしまうほど…。
読んでいて、とっても楽しい!!これに尽きます ✨
そして、お気づきでしょうか…
どの場面にも、さりげなくキツネ 🦊が…
このキツネが入り込むことで、絵のスケール感や空気感がより伝わります 🦊
想像してみてください。
このキツネがいるのといないのとでは、物語の世界の見え方が違うと思いませんか?
「きょだいな」世界がさらに迫ってきます。
あなたなら、何をきょだいにしてみたいですか??
私なら、大好物の「あんかけ焼きそば」!
お腹がはちきれるほど食べたいな 😁
水彩画の滲みは瑞々しく、ダイナミックな筆の動きは躍動感、糸よりも細い繊細な線は細かな表情を生み出す。
スロバキア留学後に描かれた絵本達は、カラフルでその影響を大きく受けているようにも感じました。
そして、どのキャラクターも生きている。
お話と一体となって、読者のすぐそばで息吹を感じるような存在に仕上がっている。
思い切った構図の工夫・登場人物の表情への緻密な筆入れが、読者を物語へ引き込む強い吸引力なのかもしれないなと感じました。
降矢さんは、絵本によって描き方を変えているそうです。
今回の「きょだいなきょだいな」に使われたのはコラージュ技法
(色彩された紙などを切り貼りし、アレンジすることにより形を作り上げる技法)。
無数に描かれる「子ども」は、なんと切り絵!!
髪の毛の動き、手足の指の見事なこと。
きょだいな「ピアノ」や「トイレットペーパー」も切り絵ですが、その色使いや素材にもこだわりが…。
このコラージュ技法があって、絵本の中の遠近感や奥行きを感じるのですね 😍
目を凝らして、じーっと見ていると👀、美しさ、愛らしさ、奥深さを感じ、作者への尊敬の念が込み上げて来て、ため息が…💕
一足先に、とても贅沢な芸術の秋を感じてきました 🍂✨



文責:田場 依子
長谷川摂子 / 作 降矢なな / 絵 福音館書店 1994年初版
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